活動日誌

2021年9月15日金メダル事件質疑大要

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名古屋市議会9月議会で江上が行った質疑を党市議団事務局が文字おこししたものです。なお、質問項目ごとに質疑が整理してあります。

市長の政治責任を問う

【江上議員】通告に従い質問します。8月4日に河村市長が起こした「金メダル事件について」質問します。以下、河村市長に質問します。

1項目に、市長の政治責任についてです。まず、表敬訪問における問題です。

 8月4日、河村たかし市長は、地元の声をうけ表敬訪問していただいた五輪選手の金メダルをかむという前代未聞の行為に及びました。金メダル事件として、名古屋市政に大変な汚点を残すことになりました。

 メダルをかむという行為にとどまらず、公の場で、一女性の容姿に言及したり、結婚、恋愛というプライベートに触れるなど、そうした言動がハラスメントにあたるとの認識を12年間市長をされながら、理解されず、他の場面でも同様の言動を繰り返してきたこと、さらに、当初の謝罪会見では、それらの行為を「愛情表現だった」と言ってのける人権感覚のなさに、市への苦情はさらに増えることになりました。

 自民、名古屋民主、公明、共産の4会派は、これらの行為が、パワハラ、セクハラであると指摘し、市長による「明確なけじめ」を求めております。

次に、言動に対する自己分析です。

 市長は、8月23日に「優勝報告における不適切な行為等について」という文書を市ホームページに掲載しましたが、不適切な行為に対し、「大変」とか「本当に」とか言葉を添えて「申し訳ございません」と5回も繰り返しています。しかし、この文書からは、なぜ、こうした言動に及んだのか自己分析の説明がありません。16日の記者会見で、「どのような点が不適切だったという風にお考えですか』と聞かれた市長は、「その場を汚すというか、不快の念を与えるということ」と答え、「自分でいかに盛り上げるためとか思ったとしても、今まで皆さんから責任が問われなかっただけで、やっぱりハラスメントになるんだとよくわかりました」という趣旨を発言をしています。そして、「すべて私が悪うございました」と答えています。

市長のハラスメントについて注意を受けたことはないのか

【江上議員】謝罪や、お詫びは大切なことです。しかし、それだけで済むでしょうか。今回の不適切な言動のみならず今までの言動のどこが問題であったのか、どうすべきであったのかについて分析し、市民に説明することが2度と過ちを犯さないことにつながります。そこが答えられておりません。

 そこで質問します。

第1に、「今まで責任を問われなかった」と発言していますが、今まで言動についてハラスメントでありやめるように言われたことがあるはずです。「注意しても聞いてくれなかった」という趣旨の発言を聞いています。今まで、責任を問われたことはなかったとしても、注意や指摘を受けたことはありますよね。お答えください。

写真を撮るときに女性と肩を組むのはやめたほうがいいといわれた(市長)

【市長】写真を撮るときに女性と肩を組んでなるべく撮るようにしとった、そういう場合に肩組むのはやめてくださいという注意を受けたことがある。それ以前にも肩を組むときは必ず肩組んでええきゃあといって必ず了解を取って写真を撮っていたが、そういう注意を受けましてから、許しがあってもいかんかなあということです。

どこがセクハラなのか理解しているのか

【江上議員】第2に、12日の記者会見で、市長は、「セクハラだと思った場合は言いません私は」と発言しています。ということは、8月4日の表敬訪問でセクハラ発言した自覚はないということになります。それが、16日の記者会見では、「すべて私が悪うございました」と反省しているわけです。8月4日の発言のどこがセクハラと自覚したのか、なぜ、それまで自覚できなかったのか、ご自身の分析を説明してください。

容姿のこととか、恋愛のこととか、周囲に不快感を与える言動(市長)

【市長】容姿のこととか、恋愛のこととか。一般的に周りを不快にさせる蓋然性があるという、周囲に不快感を与える言動についてはハラスメントになるということです。

市長としての品格にかけているのではないか

【江上議員】次に、市長の資格についてです。

 市長は、地方公務員法の規定により、地方公務員法の規制を受けない特別職地方公務員です。同法第39条では、ハラスメントに関することを含め地方公務員は「研修を受ける機会が与えられなければならない」とし、その研修は、「任命権者が行うもの」とあります。名古屋市の任命権者は河村市長です。市長は、人格が高潔で優れた識見を有していることが大前提です。

そこで質問します。

「相手の立場を慮らない人権意識の欠如した」言動を繰り返す人物は、市長としての品格に欠けているという認識をお持ちですか。お答えください。

猛省しながら自戒しながらやっていく(市長)

【市長】猛省しながら自戒しながらやっていくということです。

抗議への対応などで職員の仕事が増えたのではないか

【江上議員】2項目です。市に寄せられた意見・抗議への対応についてです。

市長は、「市長の不適切な言動に対する責任を明らかにするため」の3か月報酬ゼロ条例を提案しています。8月16日の記者会見で、「過去最大の処分」と、自分に厳しいとまで自ら発言しています。私が当事者ならこのような表現、発言はしません。

 金の問題ではない、姿勢の問題だと市民の怒りの声を聞いています。

 市長が不適切発言を行った8月4日の後の8月8日からは、コロナ対策で「まん延防止等重点措置」がとられ、27日以降「緊急事態宣言」が発令されているコロナ対策にとって大変重要な時期になっています。

その時に、市長発言によって意見、抗議が名古屋市に殺到し、職員はコロナ対策に全力を尽くすべき時間を対応に追われました。特に、表敬訪問、謝罪会見の全体が全国に、世界に映像として拡散し、世界、全国から注目を浴びています。

市民から寄せられた意見は9月13日現在で、15,799件と名古屋市は発表しています。この市民から寄せられた意見、抗議に丁寧に対応を求められたのは職員です。多大な時間がとられています。それだけの人件費がかかっています。この時間がコロナ対策への時間から割かれたということにもなります。

  先ほどの答弁で、名古屋市として、市民から寄せられた9月10日までの15,787件の意見、抗議に対してかかった時間が約1200時間と明らかになりました。対応した時間には、膨大な時間を要していますが、電話応対などの直接的な対応以外に、さらにどのような負担がありましたか。この点については、杉野副市長に質問します。

行事出席の再調整、庁内関係部署との連絡調整、報道機関への説明など(副市長)

【杉野副市長】電話対応などの直接的な対応のほかに、例えば市長が出席する予定のパラリンピック聖火フェスティバルなどへの出席の再調整、庁内関係部署との連絡調整、報道機関への説明などの業務があった。

市長3か月給与ゼロで責任を取ったことになるのか(再質問)

【江上議員】職員の平均給与だけでなく、時給1500円という私たちが最低賃金で求めている金額で計算しても、裕に150万円は超えているでしょう。コロナ対策を進めるべき時にこんなことに職員は膨大な時間を取られ、犠牲は市民に行っているのです。約1200時間に加え、もっと、時間を取られていることが明らかです。

 そこで質問します。金メダル事件について、「すべては私が悪うございました」という責任の取り方が3か月報酬ゼロですむと市長は、思っているのでしょうか。過去最大処分と言っていますが、これで「金メダル事件」の不適切な言動のすべての責任を取ったと認識しているのでしょうか。お答えください。

全てとは思っていない。痛みのある制裁を課すことが重要(市長)

【市長】全てとは思っていない。自ら痛みのある制裁を課すことが重要なのでそうさせていただいた。自制、猛省、自戒、社会にいいことを行っていくということで責任を取っていきたい。

辞職すべきだという抗議にどうこたえるか(再々質問)

【江上議員】自戒するとかいう言葉だけで、自分の発言のどこが問題だったのか、相手がどう思ったとかではない。自分の自覚はどうなったのかを説明していないことを指摘したい。

3か月報酬ゼロで責任を取ったと思ってないといわれました。そこで、市民から寄せられた意見、抗議の中身を見ます。

9月10日までの集計できる範囲で、一位の「辞職すべきだ」が、5,733件の41.1%、「不快、不潔だ」が 5,378件の38.6%、「きちんと謝罪すべきだ(謝罪になっていない、悪いと思っているように見えないなど)」が4,911件の35.2%、「(相手に対する)敬意にかける行為だ」が3,438件の24.7%と続き、「セクハラ。パワハラだ」は1,818件の13.0%です。特に、8月16日の謝罪記者会見以後、「辞職すべきだ」が764件も増えています。

先ほどの質問で、「辞職すべきだ」という抗議に市長はどう答えますか。ときかれましたが、はっきりしません。改めて、市長として「辞職すべきだ」という抗議にどう答えますか。どう受け止め、どういう行動をとりますか。お答えください。

猛省を続けながら、自戒を続けながら、社会にいいことを行っていく(市長)

【市長】猛省を続けながら、自戒を続けながら、社会にいいことを行っていくということにしたい。

市民は辞職せよと言っている。どうこたえるか(再々再質問)

【江上議員】市民は辞職すべきと言っている。それに対してどうするのかと聞いている。どうするのか、自戒とかその程度の話ではないと市民はいいますよ。市民が自戒とかという話ではないと、辞職すべきだと言っているんだと聞かれたらどう答えますか。

社会に対していいことを行っていく(市長)

【市長】自戒しながら猛省しながら社会に対していいことを行っていく。

反省のない答弁。セクハラの注意を受けて直してきたのか(再々再々質問)

【江上議員】繰り返している。同じことしか言わない。市民が辞職すべきだ、ますます増えている。そのことに対して真摯に答えようとしない。反省していない証拠だ。今の回答は許せない。肩を触るといった注意を受けて以後、直そうとした気持ちを持ったことがあるのか。

肩組んでいいかと言うようにしていた。指摘後はやめるようにしている(市長)

【市長】市の写真を撮るようなときが多いですけど、プライベートの時は別と思いますが、プライベートの時でも必ず、肩組んでいいかなと言うようにしていましたし、その後はやめるようにしている。

市長に言われれば断れない。そんなこともわからないなか(再々再々再質問)

【江上議員】プライベートであろうとなんであろうと肩組んでいいかと市長から言われたら断れない。本人としては断りたいけど、市長から言われれば仕方ないということをおもいはかるべき。それができないところに市長としての資格がないのではないかと思う。そういう品格がない人は市長になってはいけないと思わないか。

自省したい(市長)

【市長】本人の了解がすべてではない。周囲に不快の念を及ぼすようなことはしてはいけないということです。大いに自省していきたい。

どこに問題があるのかわかっているのか(再々再々再々質問)

【江上議員】人の発言を聞く姿勢がない。改めないと、また繰り返すことになる。謝るだけならだれでもできる。二度とやらないためには、どうしてそういうことを言ってしまったのか、どこに自分が問題があったのか。きちんと考える必要がある。セクハラ問題について自覚して、反省し、直してこそ、これから過ちを起こさないとなる。今回も、最初はセクハラ発言をしたと思っていなかったといっていたが、その後、16日に悪かったと改めたが、研修を受けたからというが、研修をうけてセクハラ発言の中のどこに問題があったか、どう対処しなければいけないのか、詳しくいってください。

なごんでもらおうとやってきたが、周囲を不快にさせることはいけない(市長)

【市長】来た人になごんでもらおうと、緊張される場合が多いので言っていたことが、本人がどう思おうが、相手がどう受け取るかということでハラスメントかどうかが普通は決められるというか、解釈される。それとは別に、周囲を不快にさせるようなことはいかんということで。今回、周囲を不快にさせたのでこれはいかんなと思っている。

辞職すべきだという抗議にどうこたえるか(再々再々再々再質問)

【江上議員】セクハラ問題等について、自分としてはどういう自覚をし、どういう分析をし、これからどうしていくかについて、市民にきちっと丁寧に説明する必要があると思うが、そういう機会を持つ考えはあるか。

周囲の皆さんが不快に感じられる可能性があることはやりません(市長)

【市長】場を盛り上げるということより、周囲の皆さんが不快に感じられる可能性がある、蓋然性のあることはやりません。

これからは高潔であろうという姿勢で臨むのか(再々再々再々再々質問)

【江上議員】市民に説明しないということではないか。自分で何度も繰り返してもだめです。だから反省していないんではないかと疑われる。品格がなかったという認識について、これから人格的にも高潔であろうと、識見を豊かにもつという姿勢を持って臨むという姿勢はあるか。

当然(市長)

【市長】当然持っております。

責任を取ったことにならない。明確なけじめを(意見)

【江上議員】自分のやったことに対して自覚がどうだったのか、それがきちんと答えられない。これでは2度3度と繰り返すことが十分あると思う。

 最後に、コロナ感染拡大の時に対策の先頭に立つべき人が真逆の姿勢であることを示した事件でした。不適切な行為に対して、3か月の報酬ゼロという責任の取り方で責任をとったということになりません。「明確なけじめ」をつけることを求め、引き続き、委員会で追及すると申し上げて質問を終わります。

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