名古屋城天守閣木造化の審議が大詰めを迎えています。昨日は、審議する経済水道委員会終了が、午後10時過ぎ。来週11日(火)午前10時から審議、採決です。12日(水)午後1時本会議です。
議案の内容
2020年7月を完成期限とする名古屋城天守閣木造化を河村市長は推進してきました。そのために、技術提案交渉方式を使って優先交渉権者を決定し、契約の第一歩として基本設計などの承認を求めて議案を提出しました。
耐震化、コンクリート劣化補強を行ったうえで、論議を
日本共産党は、現天守閣の耐震化、コンクリート劣化補修を早急に行い、今後の天守閣のあり方について、専門家も含め市民の意見を踏まえて決めるべきと考えています。したがって、議案に反対の立場です。反対理由は以下です。
完成期限の変更は、議案の変更
第1に、河村市長は、2020年7月完成期限で、公募型プロポーザル実施公告に基づいて優先交渉権者を決定しました。その期限で市民へのタウンミーティングでの説明、議会への説明を行ってきたにもかかわらず、2022年に前提条件を変えるということは、提案そのものの変更です。実施公告や実施説明書のどこに、期限変更について記述があるかと審議で尋ねても、「文言に基づいていない。行政判断」というだけです。また、議案説明で、「2020年7月までに」「復元するため基本設計等を実施する」と河村市長は述べました。市の6月補正予算の概要では、「2020年7月までに」「復元するため、基本設計等を実施」としています。議案そのものには、「2020年7月まで」という文言は書いていない、と市側は言いますが、では、議案説明と議案と異なることがあったのかと局長に問えば、「覚えがない」と答えています。いまだかつて例がないのです。
したがって、完成期限の変更は、議案そのものの変更であり、議案を取り下げて再提案すべきです。しかし、取り下げない以上、議案に反対するものです。
耳を傾けるなら責任を持って議案の取り下げを
第2に、河村市長は、6月議会で、2020年7月完成期限に対する批判を受け、「耳を傾ける」と検討の時間を求めました。しかし、3か月近く立つ9月21日、「一日でも早く天守閣木造化を実現したい」と議案の取り下げはしませんでした。理由は、優先交渉権者からの市や市長への損害賠償責任の可能性があるというものです。そして、完成期限の2年延長案を提案しました。「耳を傾ける」と言いながら、完成期限の延長で済まそうというのは、市長としての損害賠償責任を逃れようというものではないでしょうか。河村市長個人の責任を求めつつ、議案は否決することを求めるものです。
市民の声は、2020年7月木造化に反対
第3に、5月に行われた2万人アンケートで、2020年7月木造化は、21%。これに対して、期限にとらわれない木造化と現天守の耐震化は、合わせて66%であり、市長提案は、市民からも否定されているからです。
10階建てのビルを歩いて登れ、と高齢者に言うのか
最後に、史実に忠実な木造復元といいます。本丸地盤から48.5mの高さ、天守閣だけでも36.1mです。1階が3mとしますと、展望階までで10階建て建物です。高齢者が歩いて登れるでしょうか。外観は今とほとんど変わりません。高齢者は外から見ているだけでいいとでもいうのでしょうか。それでも木造化を急ぐのでしょうか。じっくりと市民の意見を聞くことが大切です。
10月11日午前10時委員会審議、12日午後1時本会議
ぜひ、傍聴、インターネット中継をご覧ください。
写真は、10月10日CBCテレビ「イッポウ」から