4月23日投開票された名古屋市長選挙で、いわき正光候補(日本共産党が参加する革新市政の会自主支援)は、全市で195,563票(得票率29.17%)、中川区で16,462票(同27.99%)を得ました。河村たかし現市長は、454,837票(同67.84%)、中川区で40,849票(同69.46%)で当選しました。投票率は、全市で、36.90%で、前回の39.35%より2.45%下回りました。
「木造復元」支持とは言えない
河村市長は、当選を確実にした記者会見で、「市民税減税と合わせ、木造天守閣に対する『住民投票』の意味合いがあった」と述べ、市民税減税、名古屋城天守閣木造化2022年完成に市民が賛成したかのような評価を行いました。しかし、投票の出口調査でも、投票の際に重視した点として、「減税」は32%でしたが、「木造化」については10%と低く、「急ぐべきでない」という意見が全体の39%、河村市長を支持した人の36%も「急ぐべきでない」としており、市民が支持したとは言えないものです。
日本共産党は、暮らし・福祉を守るためにいわきさん応援
日本共産党は、「暮らし・福祉を守るためには、市民税減税が金持ち優遇、市民サービス削減になっており廃止すること。505億円の建設費の木造復元は急がず市民合意を得ること。市政運営について強引な手法の河村市政を変えること」を掲げました。いわき候補は、「ストップ!木造化505億円」「ストップ!金持ち減税」「ストップ!税金無駄遣い」を公約にし、この点から党は、自主支援しました。他党も、「強引な河村市政を変えよう」という点からいわき候補を応援しました。
結果は、「市民税減税」や、「505億円木造復元」が「福祉・医療」に及ぼす実態が浸透されないままとなり流れを変えることはできませんでした。
「税金投入しない」の根拠調査 天守解体は2019年9月予定
今後、木造復元について、竹中工務店と契約をすることになります。その際、入場料でまかない「税金投入しない」という見通しについて調査を行うことになっています。「税金投入」となれば、暮らし・福祉へ大きな影響を与えます。また、天守閣解体が2019年9月の予定で、それまでに文化庁の許可も必要です。まだ、解体まで1年と5カ月。その間、2019年4月に市会議員選挙があります。市民の声を踏まえた見直しが求められます。
現天守の耐震化補強で、もっと魅力ある名古屋城はつくれる
天守閣木造化は、高さ48m、最上階まで40mほどですからビルでいえば13階を階段で上ります。建物の中はがらんどうです。それより、現天守を耐震化、老朽化補強し、博物館機能を強化して、中の陳列物別は、名古屋の歴史、名古屋の将来像、名古屋城の歴史、名古屋周辺の案内などを3カ月か4カ月おきに企画する。こんな情報発信施設にしましょう。名古屋市博物館の建て替え移転も考え連携をとるなどすれば、魅力ある名古屋城になるのではないでしょうか。
あきらめず木造化をあわてない運動を広げましょう
これからも「木造化」のための課題はたくさんあります。現天守閣解体までに1年と5カ月あります。市民の声を踏まえた城にする運動を続けましょう。