活動日誌

名古屋城天守閣復元にかかる基本計画案を検討する天守閣部会開かれる

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 11月16日、3時間にわたって、名古屋城天守閣復元にかかる基本計画書(案)審議の天守閣部会が開催されました。文化庁へ提出する木造復元のための申請書類となる内容です。

現天守閣を耐震改修化か木造復元化の利点、課題を整理

 報告の中で、現天守閣が再建され、耐震改修した場合について詳しく記述されています。

主な点
 ・現天守閣の耐震補修による整備と木造復元とを比較し、木造復元が「特別史跡内の建造物として、本質的価値の理解を促進する」(p27)ということで優位性があることを示そうとした文書 
 ・現天守の価値について4点にわたり22ページを使って論じている。
(1) 市民の天守再建機運の高まり
1953年(昭和28年)ごろから市民の中で再建を求める動きが出て、「行政がその声に後押しされる形で推し進められた」ことを記述。
(2) 昭和30年代の建築技術と再建天守の位置付け
鉄骨鉄筋コンクリート製となった理由として、耐震性に優れている、不燃化、建築基準法の適用除外にこの時点で木造再建は認められていない、などを記述。
(3) 城郭における建造物整備の歴史の中での位置付け
他の外観復元された城と比較し、その根拠資料の豊富さと、それに基づく外観復元が優れている特徴を記述。
(4) 博物館としての活用
内部を活用し、資料整理・保管機能、教育・普及機能を持っていること記述。
 ・耐震改修の利点と課題、木造復元の利点と課題を述べたうえで、木造復元が、「本質的価値の理解を促進する」として選択している。「耐震改修では、壁や柱などの構造体を
変更することは不可能なため、築城当時の間取りまでも再現し、歴史的空間の体感をすることは困難である。」とも述べている。
 ・木造復元した場合、階段の最大傾斜角度が55度であること。階段の高さが29センチ
以上であることが分かりました。

市の説明後の審議は、内容の補強でした。漆喰の耐用年数、復元時期は宝暦改修後としているが、現石垣も宝暦改修後であり当然、ケーソンの老朽度、など。

耐震改修しても40年の寿命という記述なし

  2016年5月に行った名古屋市の2万人アンケートで、耐震改修しても40年の寿命という表記は、この文書にはありません。課題として挙げられていません。いかに、2万にアンケートの表記が誤ったものであるかを示しています。

耐震改修の場合の費用、木造復元の費用について触れず

  耐震改修費用、木造復元費用について、全く記述していません。財源問題は別とでもいうのでしょうか。市民のための行政としての必要性として財源問題にも触れて、比較する必要があります。

この論議を改めて市民とともに行うことが求められます

  この内容で、議会論議をすべきでした。木造復元ありきという論議が、やっと冷静に論議できるようになってきたということでしょうか。文化庁は、このような内容を求めていることを示しています。市民に広く伝え、今からでも見直しをすべきです。

12月16日(土)午後1時半 まだ止められる2022年木造化シンポへお越しください

 場所は、名古屋城南にある、KKR名古屋(三の丸会館)です。

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