「中日新聞を読んで」2018年10月21日付「名古屋ボストン」問題江口忍記事、「名古屋ボストン美術館」閉館にあたり読んで感じたことです。
問題の根底
1 「問題の根底には、名古屋市役所内で問題解決に責任を持つ担当が定まっていないことがある」とあります。
現時点で責任は名古屋市観光文化交流局にあることは明らかです。そして、市長が責任を持つことも当然です。問題は、その市長が、「美術館が入るビルの家主は市であるにもかかわらず、どこか人ごとのよう」と責任もって発言しないことです。
名古屋商工会議所の責任
2 問題の根底には、市役所とともに財界、名古屋商工会議所の責任がありますが、指摘がありません。
中日新聞2018年10月8日付の「夢は描けたか閉館名古屋ボストン」連載(下)で、「市や議会には『誘致を始めた財界も、跡地利用に責任を持つべきだ』との声が根強い。だが、協力を要請した名古屋商工会議所からは、『20年運営し、責任は果たした』と、にべもなく断られた。」とあります。財界、商工会議所の会頭なる人物が提唱し、推進した事業です。名古屋商工会議所の責任を問い、今後の問題解決にも責任を負うべきです。なぜ、その点は発言で触れていないのでしょうか。
名古屋市長としての責任
3 河村市長発言について
2018年9月10日の市長定例記者会見で、「民間だったらえらいことですわね。これ。民間だったら責任とらなあかんですね。こういうやつ。だで、そういう点では、役所の場合はええなあと。」記者が、「責任は市の中ではだれがとるんでしょうか。」と聞き、市長は、「誰もとらんでしょう。誰もとらない。さようならと。」発言しています。市長も責任をとらないと言っているわけです。民間財界の責任も問わない。市長としての責任も問わない。ここを指摘すべきではないでしょうか。
市民に責任ないのに税金で補填では市民への責任押しつけ
4 責任をとるのは市民か
今後の跡地利用にあたって、市民の声を聞き、市も関係者、財界も責任を持って進めるべきです。今でも市の赤字は、約34億円です。税金で補填です。
これだけ市民生活がひっ迫しているときに、市民サービスに回すべき税金がこんなことに使われるのです。今後の施設のあり方も赤字が十分あり得ます。それでも、建物は、いったん建ったら、これからも40年50年存在します。市民生活向上のための利用を今からでもしっかり検討すべきです。その仕組みを作ることです。
2022年名古屋城天守閣木造化問題の教訓
5 教訓は、2022年名古屋城天守閣木造化でも生かすべきです。
施設のあり様、市民にとってどんな意義があるか、収支計画、体制など論議をして施設を建設することの大切さを今回の問題は明らかにしました。名古屋城天守閣問題に即生かすべきと思います。