障害のある方に配慮のない発言撤回を
安倍首相は、6月28日の主要20か国・地域首脳会議の夕食会で、「明治維新の混乱で大阪城の大半は焼失したが、天守閣は今から約90年前に16世紀のものが忠実に復元されました」「しかし一つだけ、大きなミスを犯してしまいました。エレベーターまでつけてしまいました」とあいさつしたと報道されました。それを聞いた河村名古屋市長が7月1日、「総理の気持ちはよくわかる。文化、伝統を大事にしようという趣旨でしょう」と、同調したといいます。
安倍首相の発言は、障害を持つ人、高齢者に対する配慮のない発言です。それを批判しない河村市長の発言は許せません。
大坂城の歴史と大阪城
豊臣秀吉が建てた「大坂城天守」は、1615年、大坂夏の陣の戦火で焼失。続いて徳川幕府の「大坂城」再築工事による二代目天守も、1665年の落雷で焼失。それから266年間天守のない城ですから、明治維新の混乱でなくなったということはあり得ません。そして1931年、市民の思いで、外観は豊臣秀吉築造の天守を屛風絵などをもとに再現。内部は大阪の郷土歴史館として建設されました。当時としては、画期的なエレベーターを途中の5階まで設置しています。ですから、「大坂城」と書かず「大阪城」です。この事実を無視して、「忠実に復元」という発言を世界に発しました。安倍首相は、即刻発言を撤回することです。
河村市長は、この点の指摘はないようです。そのうえ、「エレベーター設置はミス」という発言に同調するとは、事実を無視して自分の都合の良いのように解釈する典型例です。河村市長は、発言を撤回すべきです。
現名古屋城天守最上階までエレベター設置可能
現名古屋城は、外観は5層ですが、内部は7層で、5階までエレベーター2基設置されています。私の議会質問で、名古屋市は、工事によって、最上階の7階まで1基延伸することは技術的に可能と答弁しました。現天守の耐震化老朽化補強、博物館機能の充実、費用も505億円の十分の一程度で済む提案を含め、河村市長は、いったん立ち止まって市民の声を聞くことです。障害のある方、ない方も一緒に楽しめる名古屋城実現に全力を尽くします。