中日新聞8月25日付市民版で、「天守復元で学芸員増へ 市が方針 目標は9人の金沢」という記事が掲載されています。昨日の名古屋市議会経済水道委員会での論議を踏まえてのものですが、私の質問は載っていないのでここに概要をお知らせします。
日本共産党は、現天守を魅力あるものにしたい
河村市長は、2022年12月完成で天守閣木造化を提案し、自民党、民進党、公明党、そして、減税日本は賛成し、日本共産党は反対しました。私たちは、戦後復興の象徴である現天守の耐震化・老朽化補強のうえ、博物館機能の充実、名古屋城へ行けば名古屋の歴史・未来、名古屋城の歴史、名古屋の名所がわかる情報発信施設としての名古屋城全体の整備を求めています。その提案も含め、市民に説明し、合意を得ることを求めています。ところが、その手続きを抜きに、強引に木造化を進めてきました。
もうひとつ、河村市長提案の木造化は、505億円の建設費。税金投入となったら、暮らし・福祉への予算が削られることは明らかです。その点からも私たちは反対してきました。
天守と石垣を切り離して説明してきた河村市長
今回、学芸員の増員が問題となったのは、8月9日、特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣部会での研究者の発言に端を発しています。「天守をなぶるなら、地下1階の穴倉部分で天守と石垣と触れる可能性があり、石垣調査が必要なのに、名古屋市の組織体制は調査をする体制にない、という趣旨のものです。河村市長は、天守は、独自のケーソンで支えられているから石垣修復は、木造化の後でいい、と説明してきました。しかし、昨年3月採用された竹中工務店の提案では、地下1階に耐震補強設備をつくることから石垣との関係が問題となっていました。ところが、名古屋市は、石垣の専門家にあたる学芸員の増員を今年8月まで行わず1人でした。その点を8月9日の石垣部会で追及されたわけです。中日新聞で、現学芸員が3人とありますが、石垣担当の考古学1人、美術1人、展示1人であって、石垣では1人です。やっと8月1日付で兼務で1人増やしました。ですから1.5人程度です。それが、石垣担当となる考古学の学芸員を9人程度(ただし、全員が考古学専攻かはわかりません)を目標すると言い出したわけです。木造化を急ぐあまり、土台となる石垣問題をないがしろにしてきたのではないか、これが私の主張です。市の回答は、「認識していた」というのですが、認識していたら、1人と9人との差はあまりに認識不足ということではないでしょうか。そんな認識で、天守閣木造化を進めて来たのですから、とんでもない建物が立つことになりかねません。
2022年12月完成ありきだから、石垣無視してきた河村市長
わたしは、「石垣を最優先に解決すべき」ということは、6月21日代表質問で求めました。河村市長は、文化庁とのやり取りを述べるだけでそれ以上回答しませんでした。2022年12月完成の木造化にこだわるがために、石垣を無視してきた河村市長の責任は重いし、だからこそ、しっかりと石垣問題に取り組むことが名古屋城天守閣問題でも重要です。政治の力だけでなく、事実を明らかにして2022年12月木造化をやめさせ、市民の声を聞け、この運動を大きくしたいと思います。
魅力ある名古屋、魅力ある名古屋城とは何か。市民の声を聞こう
市民の暮らし・福祉に大きな影響がある天守閣木造化。改めて、私たちの提案も含め、市民の声を聞き、市民の理解・納得のもと名古屋城をはじめ、名古屋の魅力を考える運動をつくりたいと思っています。