活動日誌

現天守解体は、市民の思いを無視し、市民合意もない

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 昨日2月1日、河村市長は文化庁へ行き、「現天守解体を先行させる案」を話したそうです。しかし、現天守解体を木造復元計画が認められていない段階で行うことは市民の声を無視するものです。私は、断じて反対します。

現天守が耐震性弱いのは、1997年度からわかっていたこと

 河村市長は、現天守の耐震性がIs値0.14で、公共建築物が少なくとも備えるべき0.6を下回っているから、まず解体を、というものです。しかし、耐震性がないのは、1997年度から名古屋市は診断の結果わかっていました。

河村市長になって2011年2月の診断でも耐震性弱いとわかっていたこと

 河村市長は、2009年当選後、診断し、2011年に結果が出て耐震性が弱いことがわかっていました。整備方針は、「特別史跡名古屋城跡全体整備計画増補版」(2012年12月)でも、天守は耐震化になっていました。2011年の耐震診断結果では、耐震化の方法が書かれ、Is値0.6を確保することが可能としています。ですから、河村市長は、現天守の耐震性が弱いことをわかっていながら、ほかっておいたのです。

河村市長の木造復元提案は「稼げるまち」のため

 2015年9月議会で、河村市長は、現天守の木造化を提案しました。その提案理由では、「2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2027年のリニア中央新幹線開業を控え」て「文化面においても、名古屋城天守閣の木造復元を初め、本物性を追求し都市魅力を向上させることにより、いわゆる稼げるまちを目指」すとしていました。木造復元を耐震化のためとは一言も言っていません。

熊本地震を受けて耐震性を言い出した

 河村市長は、耐震性に言及しだしたのは、2016年6月議会からです。4月に熊本地震があって以後です。

2019年1月15日記者会見

 河村市長は、今年1月15日の記者会見で、「生まれてからすると70年間、木造の本物の天守ができるとええなあと思って。思っておりましたんで。」とこたえています。まさにこの発言ではないでしょうか。自分の思いを実現するために天守閣を木造化しようというのです。市民の思いではありません。

現天守閣の価値を超える木造復元か丁寧に説明を

 石垣が不安定で、保存・修復の計画も明らかにできません。バリアフリーのエレベーター問題も解決していません。そもそも現天守の価値を市民に示していません。名古屋市の整備方針でも、「現天守閣の価値を超える木造復元の意義を丁寧に説明することを前提として、整備方針は木造復元とす」(特別史跡名古屋城跡保存活用計画p213)るとしています。

河村市長は、現天守の解体でなく、いったん立ち止まって市民の声を聞け

 

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